意思の疎通
スタイリストの使命は、あらゆる材料を駆使し、求められるテーマにどこまで忠実に近づけるかにあります。洋服やアクセサリーは言うまでも無くモデルがどこまで演じてくれるかによっても結果は大きく変わってきます。すなわち、創作者同士の意志の疎通がどこまで図れるかが重要なキーワードとなって来るのです。しかし、これもプロ同士であるなら次元は同じで時間さえかければ不可能な事ではありませんが、プロフィール写真の撮影に来た人とそれを撮る側と言うのは結構、隔たりを感じる場合も少なくありません。撮影用として別個の人物像を作るのでは無く、自分自身その物をストレートに表現する違いもあり、初めてフォトスタジオに足を踏み入れる立場と毎日、様々な被写体を前に悪戦苦闘している立場とでは個人差があるとは言え、多少なりとも不協和音が生じるのは当然のことと言えるでしょう。しかし、仕事の重みを充分理解し何事にも緊張感を持ってトライしている人とのコラボレーションはモデルのそれと何ら変わる事無く同じ職業人として同一線上に立てることも事実です。一枚のプロフィール写真を仕上げる行為は、クライアントから依頼を受け広告を創作する事と全く同じであると感じる瞬間でもあるのです。

